著作権ガイドライン

著作権ガイドライン

目  次

1 著作権についての概要 

①「 著作権 」

②「 具体的な著作物の種類 」

③「 著作隣接権と著作権の種類 」

④「 財産権 」

⑤「 著作者人格権 」

⑥「 著作権の制限 」

⑦「 著作権法と著作権の基本的な考え方 」

2  脚本の著作権について 

  • 「 全国大会における脚本の上演区分について 」
  • 「 全国大会における創作脚本対象について 」
  • 「 上演許可の取得と上演料について 」
  • 「 上演許可の取り方 」
  • 「 創作・脚色・翻案脚本と利用許可について 」
  • 「 引用について 」

3  その他の著作権について 

  • 「 音楽の著作権について 」
  • 「 インターネットに関する著作権について 」
  • 「 その他の著作物についての著作権 」
  • 「 著作権についての質問 」

1 著作権についての概要

①「 著作権 」

 著作権とは 

著作権とは、知的財産権の一部で、文化的な創作物(=著作物)を保護対象とする、著作物を創作した著作者が持つ権利です。著作物が創作された時点で、「自動的」に著作権が著作者に与えられるので、著作権を得るための手続き等はいっさい不要です

  著作物とは  

文化的な創作物(=著作物)とは、「文芸・学術・美術・音楽などの範囲に属するもので、思想又は感情を創作的に表現したもの」と定義されています。

 著作物とは考えられていないもの 

「アイデア、一般化した言葉、固有名詞、キャッチフレーズ、標語、本やドラマのタイトル、芸人の一発芸」などに著作権があるとは一般的には考えられていません。(キャッチフレーズや標語の中には、感情がこめられているという理由で著作権があるとされた裁判での判決例もあります。)

また、「憲法や法律の文章、裁判の判例文など、その性質上、広く開放して利用されるべきもの」については、著作権法上の保護はありません。

あくまでも、「文芸・学術・美術・音楽などの範囲に属するもので、思想又は感情を創作的に表現したものが著作物です。

  著作者とは  

著作者とは、「著作物を創作した人のこと」です。創作活動を仕事にしていなくても、芸術的価値やうまいへたにかかわらず、文化的な創作物を生み出した人は、すべて著作者となります。幼稚園生が描いた絵も立派な「著作物」であり、絵を描いた幼稚園生は「著作者」となり、「著作権」を自動的に持つことになります。

②「 具体的な著作物の種類 」

 演劇と関係の深い著作物 

 では、具体的な著作物の種類を確認してみましょう。特に演劇に関係の深いものは太字にしてあります。

言語の著作物・・・・小説脚本、詩歌、俳句、講演、論文、作文など

音楽の著作物・・・・楽曲及び楽曲を伴う歌詞

舞踏、無言劇の著作物・・・・日本舞踊、バレエ、ダンス、舞踏、

パントマイムの振り付け

美術の著作物・・・・絵画、版画、彫刻、マンガ、書、舞台装置など

(美術工芸品も含む)

映画の著作物・・・・劇場用映画テレビ映画ビデオソフトゲームソフト

写真の著作物・・・・写真、グラビアなど

建築の著作物・・・・芸術的な建築物(設計図は図形の著作物)

地図、図形の著作物・・・・地図と学術的な図面、図表、模型など

プログラムの著作物・・・・コンピューター・プログラム

* 他に、二次的著作物、編集著作物、デ-タ-ベ-スの著作物なども著作物です。

二次的著作物とは、ある著作物(原作)を翻訳、編曲、変形、脚色、映画化するなどしてできた新たな著作物」で、原作となった著作物とは別の著作物として保護されます。二次的著作物を作る場合は、原作者の許可が必要です。また、二次的著作物を使用する場合は、二次的著作物の著作権者の許可のみならず、原作となる作品の著作権者からの許可も必要となります。

以上にあげた著作物を使用する場合には、著作権が消滅している場合や著作権の制限に該当する場合(後に詳しく説明します。6ページ、14ページ参照)をのぞいて勝手に使用することはできません

③「 著作隣接権と著作権の種類 」

☆ 著作隣接権 

著作者ではないけれど、「著作物を伝達する者」(俳優、舞踏家、歌手などの実演家や、レコード製作者など)は、「著作隣接権」を持っています。著作権に準じた権利ですが、ここでは詳しい説明をしません。後に必要な箇所のみ説明(23ページ参照)します。

☆ 著作権の種類 

すでにあげた著作物には、著作者が著作権を持っています。著作権は、大きくわけて2種類あるとされています。

「財産権」と「著作者人格権」です。

簡単にいうと、「財産権」とは、著作者の経済的利益(経済的に損をしないこと)を保護するための権利」です。

「著作者人格権」とは、「著作者の人格的利益(精神的に傷つけられないこと)を保護するための権利」です。

④「 財産権 」

☆ 財産権とは 

財産権とは、著作者が自らの著作物を自分の財産と考え、財産的利益(経済的に損をしないこと)を保護するための権利です。

狭い意味で、著作権といえば財産権をさすことが一般的です。

☆ 著作者と著作権者 

財産権は、土地などの所有権と同様に、その一部又は全部を譲渡したり、相続したりできます。したがって、通常、著作物が創作された時点では、「著作者」(創作者)と著作権者(財産権を持つ人)は同一ですが、財産権が譲渡されたり相続されたりすると、そうした場合の著作権者は著作者ではなく、著作権を譲り受けたり、相続したりした人ということになります。つまり、著作者と著作権者が異なることになる場合があるのです。

著作者とは、著作物を創造した人であり、著作権者とは、「財産権」を持っている人という違いがありますが、この著作権ガイドラインでは、これ以降、著作者の意味も含めて「著作権者」として統一して表記します。

 著作権者の許諾権 

他人が、著作権のある著作物を上演したり、原作として新たな創作物(二次的著作物)をつくり出したりする場合などは、著作権者の財産を使用するわけですから勝手に使用することはできません。上演させてもらったり、原作とさせてもらったりするための著作権者の許可が必要になります。著作権者は、他人に対して、著作物を使用することを認める権利(許諾権)を持っているということです。その際、その許可の対価(条件)として、著作物使用料の支払いを求めることもあるのです。

☆ 財産権の種類 

著作物の使用のしかたには、いろいろな形態があります。その使用の仕方で、さまざまな名称(○○権)がつけられています。財産権の全種類についてはここでは示しませんが、演劇に関係する主なもののみを次に示します。

著作権の世界で、○○権といった場合は、「本人が○○できる権利」という意味ではなく、「他人に無断で○○されない権利」=「使用料などの条件をつけて、他人が○○することを認める権利」とういう意味を持つことが多いです。

  • 上演権・演奏権無断で公衆に上演・演奏されない権利

著作物を公衆向けに「上演」(演劇等の場合)したり、「演奏」(音楽等の場合)したりすることに関する著作権者の権利

  • 複製権(無断で複製されない権利)

手書き、印刷、写真撮影、複写、録音、録画、パソコンのハードディスクやサーバーへの蓄積など、どのような方法であれ、著作物を「形あるものに再製する」(コピーする)ことに関する著作権者の権利

  • 二次的著作物の創作権(無断で二次的著作物を創作されない権利)

著作物(原作)を翻訳、編曲、変形、脚色、映画化などにより、創作的に加工することによって「二次的著作物」を創作することに関する著作権者の権利

  • 二次的著作物の利用権(無断で二次的著作物を「利用」されない権利) 

自分の著作物(原作)からつくられた「二次的著作物」をさらに第三者が利用することに関する原作者の権利

→ 原作をもとに二次的著作物がつくられた場合、二次的著作物の著作権者が持つ権利を、原作者も同様に同じ権利を持っているという意味です。

☆ 財産権の保護期間 

著作権には、保護される期間が定められています。著作権のうち財産権の原則保護期間は、著作者が著作物を創作した時点から著作者の死後70年までです。(著作権法が改正され、2018年12月30日から施行されました。)外国の著作物については、その本国によって保護期間が違ったりしていますが、日本国内で使用する場合は、原則として著作者の死後70年の保護と考えて問題はありません。ただし、第二次世界大戦の戦時加算などの例外があったりしますので、著作物ごとにしっかり調べることが必要です。また、国内外を問わず、著作者がひとりでない場合や法人等の場合もありますので、そうした場合には、保護期間をしっかり調べることが必要になります。著作権が消滅した著作物は、「パブリック・ドメイン(社会の公共財産)」と呼ばれ、自由に利用できるようになります。

☆ 財産権の制限  

財産権では、営利を目的とない上演等(著作権法三十八条)などいくつかの条件のもとであれば著作権が「制限」され、例外的に「著作権」のある著作物を自由に利用できるケースがあります。この点については、高校演劇独自のルールもありますので、詳しいことは、再度説明(14ページ参照)します。

⑤「 著作者人格権 」

 著作者人格権とは 

著作者人格権とは、著作者の人格的な利益(精神的に傷つけられないこと)を保護するための権利です。広い意味では、財産権と著作者人格権をあわせて著作権と考えられています。

 著作者人格権の種類 

○同一性保持権

特に重要なのが「同一性保持権」(無断で改変されない権利)です。

「同一性保持権」とは、「自分の著作物の内容または題号を自分の意に反して勝手に改変されない権利」です。したがって、著作物を利用する他者は、著作物の内容や題号を著作者の許可なしに勝手に改変することはできません

○公表権と氏名表示権

著作者人格権には、この他に「公表権」と「氏名表示権」があります。「公表権」とは、まだ公表されていない自分の著作物について、それを公表するかしないかを決めることができる権利です。「氏名表示権」とは、自分の著作物を公表するときに、「著作者名」を表示するかしないか、するとすれば、実名か変名(ペンネーム等)かを決めることができることができる権利)です。

 著作者人格権の保護期間 

著作者人格権は、著作者だけが持っている権利であり、譲渡したり相続したりすることはできません。著作者人格権については、著作者の死亡によって消滅しますが、著作者の死後も一定の範囲で守られることになっています。 

一定の範囲とは、「著作者が死亡し、著作者人格権が消滅した場合でも、著作者がもし生きているとしたならば、その著作者人格権の侵害となるべく行為をしてはならない」ということであり、著作者の死後であっても著作者の名誉を著しく傷つけるような利用法はしてはならないという意味です。

 著作者人格権の制限 

この権利には、高校演劇の大会での上演に関係する範囲では、例外はほとんどありません。基本的に許可を得る必要があると思っていて下さい。

⑥「 著作権の制限 」

☆ 著作権の制限 

「著作権の制限」とは、「著作権」が消滅していない著作物であっても、いくつかの場合では、例外的に著作権者から許可をえずに上演・演奏したり、複製したりして利用することが可能になるというものです。例えば、個人で楽しむ場合の音楽の複製は許可がいりませんし、ルールを守ったうえでの「引用」も許可がいらないことになっています。

 すべての例外の事例はここでは述べませんが、高校演劇に最も関連の深い例外が、著作権法三十八条「営利を目的としない上演等」です。

無料で公演する場合、次の条件を満たしていれば、著作権法三十八条(営利を目的としない上演等)に該当し「著作権の制限」が適用され、著作権者の許可なしに、「著作物」を上演・演奏することが可能になります。

ア・ 「上演」「演奏」「上映」「口述」のいずれかであること

イ・ すでに公表されている著作物であること

ウ・ 営利を目的としていないこと

エ・ 聴衆、観衆から料金等を受けないこと

オ・ 主演者等に対して報酬が支払わないこと

カ・ 慣行がある時は「出所の明示」が必要

注1・ ウ「営利を目的としていないこと」では、主催・共催団体に営利企業(新聞社等)が含まれていると適用外となります。

  注2・ エ「聴衆、観客から料金等を受けないこと」では、パンフレットの購入が入場の条件になっている場合は料金を受けたとみなされます。

注3・ カ「慣行がある時は「出所の明示」が必要」では、脚本名、作者名を記すことが、高校演劇では、「慣行」となっています。

高校演劇では、無料による公演がその主旨からもふさわしく、ほとんどの大会が無料で行われています。ですから、本来、著作権法第三十八条の条件を満たしている無料公演であれば、著作権者の許可なしに、「脚本」を自由に上演することが可能です。

しかし、この点については、高校演劇独自のルールが定められていますので、著作権のある「既成脚本(潤色・構成含む)」を上演するためには、必ず著作者の許可が必要です。高校演劇独自のルールについては後に説明します。(13ページ参照)

「脚本」については、このような高校演劇独自のルールが定められていますが、無料公演であればそれ以外の著作物の上演、演奏に関しては、基本的に著作権者の許可はいりません。音響効果で使う音楽に関しては、許可を得ないで演奏しているのは、このような著作権の制限が認められているからです。

  • 「 著作権法と著作権の基本的な考え方 」

 著作権法 

 著作権は、著作権法という法律で保護されており、法律に違反すると、民事上では損害賠償などの対象、形事上では、罰則の対象「個人に対しては、10年以下の懲役若しくは1千万円以下の罰金又はその併科(同時に二つ以上の刑を科すること)」

となっています。現実的には、よほど悪質な場合を除いては、刑事上の罰則を課せられることはありません。高校演劇ではほとんど考えらない(盗作などの場合はあり得る)といって良いでしょう。

ただし、著作権法では、親告罪とされる原則が定められているので、違法行為の被害者である著作権者の「告訴」があって、はじめて「犯罪かどうか」が問われることを意味します。著作権者によって、「著作権を侵害」されたかどうかの感じ方はいろいろであり、明確な基準を示すことはほぼ不可能です。

著作者本人が「この程度は著作権を侵害とならない」と考えているにも関わらず、他者が「これは犯罪だ」と決めつける行為は慎むことが必要です。著作権法が「親告罪」を原則としている意味は大きいと思えます。

これまでに注意・喚起がなされていないような事例(このガイドラインで示されていないような事例)で問題が発生した時、性急な判断を下すことには慎重さが必要です。過去におきた上演記録から抹消された事例などは、一般的に見ても悪質なケースでしたが、最近ではこれで審査対象外にされてしまうのかというような事例もでてきています。お互いをしばりあうような「著作権」の扱い方は、本来の著作権の基本的な考え方からはずれてしまうのではないでしょうか。

ただし、「引用の明記」など親告罪でない条文に違反すると、それだけで明示義務違反となりますので、「引用」に関しては特段の注意が必要です。

 著作権の理解 

著作権法では基本的に「親告罪」が原則ですが、だからといって「訴えられなければ何をしても良い」という誤った考え方はすべきではありません。著作権の内容を良く理解して法律を守り、違反のないように努めることは、高校演劇にかかわる私たちの責務です。

もしも、著作権に違反していると著作権者から訴えられて、裁判所の判断により損害賠償をかせられることもないとは言い切れません。こうしたケースがおこってしまうと、個人や学校への負担は大きく、高校演劇全体の信用も著しく失墜してしまいます。

また、法的な問題とは直接関係ありませんが、上演許可をとらずに大会に参加しようとしたため上演が認められなかった事例や、上演後に著作権者から指摘があり、著作権を侵害している可能性が高いとして上演記録から抹消された事例などもあります。法的な罰則を受けない場合でも、このように高校演劇協議会内部の自主規制的な措置が過去に取られたこともあります。

こうした対象になってしまうと、楽しいはずの部活動がとても後味の悪いものになってしまいます。著作権を守ることは自分たちを守ることにもなるのです。

 これまでは、「著作権」の考え方の話が中心で理解しづらい箇所もあったかと思います。これ以降は、具体的な話になっていきますので、違反ととられるような行為が生じないように内容を良く把握して下さい。

2  脚本の著作権について

①「 全国大会における脚本の上演区分について 」

各ブロック大会の推薦を経て上演される全国大会の脚本の上演区分について、次の通りとします。6種の区分は、既成潤色構成創作脚色翻案です。

(1)「既成(きせい)」

 ①既成脚本をそのまま上演するもの。

  ・上演許可を得ていること。

 ②既成脚本をカットして上演するもの。

    ・上演脚本に著作権がある場合、カットした部分を示した脚本を著作権者に示し、許可を得た上で、あわせて上演許可を得ていること。

(2)「潤色(じゅんしょく)」

 ①既成脚本の一部に改変を加えて上演するもの。

・既成脚本に著作権がある場合、改変した部分を示した脚本を著作権者に示し、許可を得た上 で、あわせて上演許可を得ていること。 

    ・潤色者名を明記すること。

(3)「構成(こうせい)」

 ①既成脚本をもとに、場面の組み換え等の大きな変更を行い、上演するもの。

    ・既成脚本に著作権がある場合、構成した部分を示した脚本を著作権者に示し、許可を得た上で、あわせて上演許可を得ていること。

・構成者名を明記すること。

(4)「創作(そうさく)」

  • 独自に創作して上演するもの。

・他の著作物の「表現」を使用(転載)したり、改変して使用したりする場合は、必ず他の著作物を明記し、その著作物に著作権がある場合は必ず著作権者の許可を得ること。

この場合、基本的には、(5)脚色 (6)翻案 扱いとする。

   ただし、著作権者の了解が得られた場合、もしくは著作権がない場合では、作者が独自の創作物であると判断した場合、「創作」と表記することも可能である。

  また、他の著作物の「表現」の使用が「引用」の範囲であって、引用の要件を満たしている場合、その部分を「引用」扱いとし、全体を「創作」とする。

( 注意点)

  「プロットやアイデア」は著作権の保護の対象外と考えられており、基本的に許可を 得る必要がありません。

  ただし、「既存の著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得することのできる」場合 は、既存の著作物の許可を得なければならないとの判例もあります。

  「プロットやアイデア」であっても、既成著作物から意図して多くを参考にして、著 作物の表現上の本質的な特徴を直接感得できるような可能性のある場合は、著作権者の確認をとることを奨励します。

  • 生徒創作の場合、推薦された時点で、執筆した生徒が上演校に在籍していること。
  • 顧問創作の場合、推薦された時点で、執筆した顧問が上演校に在職していること。

(5)「脚色(きゃくしょく)」

①小説、物語、絵本、その他脚本以外の著作物を原作として、脚本に書き改めて上演するもの。  

・原作とした著作物を明記すること。

    ・原作にした著作物に著作権がある場合、必ず著作権者の許可を得ていること。

(6)「翻案(ほんあん)」

①他の演劇脚本をもとに、新たに脚本化したものを上演するもの。

    ・原作とした著作物を明記すること。

    ・原作にした著作物に著作権がある場合、必ず著作権者の許可を得ていること。

本規定は、2010年4月3日より実施とする。

本規定は、2010年度全国高等学校演劇大会より適用する。

本規定は、2017年7月31日に一部改訂されています。

②「 全国大会における創作脚本対象について 」

  • 創作脚本賞の対象脚本 

全国大会では、次のような基準で「創作脚本賞」の対象を定めています。これはあくまで全国大会の基準です。同様の賞が各地区・都府県・ブロックで定められている場合は、地域の実情にあわせ独自に基準を定めて下さい。

 全国大会の基準では、

「創作」、「脚色」、「翻案」 の3種を創作的作品群(創作脚本賞対象)

「既成」、「潤色」、「構成」 の3種を既成的作品群 (対象外)

                  という考え方をとっています。

創作、脚色、翻案の3種の脚本に関しては、「創作脚本賞とするかの判断は、該当大会の審査員による。」こととして、創作脚本賞の対象としています。創作脚本が対象となるだけでなく、脚色や翻案された脚本も創作脚本賞の対象となっているのは、次のような理由からです。

脚色や翻案された脚本は、著作権法上ニ次的著作物となるため、法律上においても「原作をもとに新たに創作された著作物」と考えられています。

あらゆる種類の知的創作物において、「全くのゼロ」から誕生する作品はむしろ少なく、多くの作品は、多かれ少なかれ神話や古典、名も知れぬ伝承など過去の知的遺産をもとにつくり出されています。シェークスピアや歌舞伎にいたるまで、それまでの作品を原作にした多くの名作がつくられているのは事実であり、著作権の本来のあり方を考えていくと、原作となる著作物があるからといって、その脚本の「創作性」を認めないという見解には無理があります。こうした大きな歴史的な経緯や、現行法による解釈から判断し、全国大会では、「創作」だけでなく「脚色」・「翻案」脚本に関しても創作脚本賞の対象としています。

既成、潤色、構成脚本に関しては、創作脚本賞の対象外としています。          

(2009年の第2回理事会にて、「創作」・「脚色」・「翻案」が創作脚本賞の対象となることが承認されました。「2010年第56回全国大会(宮崎大会)」から、この基準が適用されました。)                   

③「 上演許可の取得と上演料について 」

☆ 既成的作品群の上演許可取得について 

 既成・潤色・構成作品(既成的作品群)に関しては、「上演許可」を得ることが、上演にするにあったて必ず必要になります。これは、高校演劇独自のルールのひとつです。

本来、著作権法では、これまで述べてきたように「著作権の制限」という例外が認められています。無料で公演し条件を満たしている場合、著作権法三十八条(営利を目的としない上演等)に該当し「著作権の制限」が適用され、著作権者の許可なしに、「著作物」を利用することが可能(8ページ参照)になります。

高校演劇では、ほとんどの大会が条件を満たした無料公演の形で行われています。つまり、高校演劇の無料大会上演に関しては、本来基本的に許可はいらないというのが、著作権法の基本的な考え方です。

では、なぜ「上演許可」を取るという独自のルールが定められてきたのでしょうか。

   確かに、無料公演では「財産権」のうち上演権・演奏権は「著作権の制限の対象となり、上演許可を取る必要ないように思えます。ただし、あくまでも、上演権や演奏権のみが対象であり、複製権や二次的創作物の創作権などは制限されません

また、著作権者が持っているもうひとつの権利である「著作者人格権」は、無料公演のケースでも制限されることはなく、必ず著作者の許可を取ることが必要になります。

高校演劇では、全国大会の上演時間が60分以内と定められているため、各ブロック、県、地区大会でも同様の規則を定めている場合がほとんどです。

  60分以内で上演するためには、脚本をカットしたり一部改変したりする作業が必要になります。また、役者の男女比や人数の問題から、語尾を変えたり、脚本をカットしたりする必要も生じてきます。

 つまり、ほとんどのケースで脚本を改変する場合が多いため、「改変の許可を含めた上演許可を取る必要」が生じるのです。

 そこで、高校演劇の大会では、無料公演であってもきちんと「上演許可」を取ることが独自のルールとして定められてきたのです。

二次的著作物に関しては、次のような対応をとることになっています。本来、無料公演の場合、著作権の制限により自由に上演できるのが原則ですので、二次的著作物を全く改変せずに上演する場合に関しては、原作者までさかのぼって許可を取る必要はありません。二次的著作物の著作権者から「上演許可」を受けることで高校演劇独自のルールは対応済みです。

ただし、二次的著作物に何らかの改変を加える場合は、「著作者人格権」にかかわってきますので、著作権の制限はなくなります。二次的著作物に改変を加える場合には、必ず二次的著作物の著作権者および原作者からの改変の許可が必要になります。

☆ 上演料の支払いについて 

また、高校演劇では、上演許可を取ると同時に上演料を支払うことになっていますが、これは、社団法人日本演劇協会が、アマチュア演劇公演の料金について以下のように定められていることが根拠になっています。(以下に参考資料として掲示してあります。)

高校生の無料公演に関しては、上演時間に関係なく、上演1回につき5,000円と明記されています。法的な根拠があるわけではありませんが、慣習として、多くの劇作家の方がたの間に定着しています。

 ただし、例外もありますし、海外の著作物に関してはこうした慣習が定着しているわけではありませんので、上演料については、きちんと確認することが必要です。

国内の例外としては、上演料はいらないとおっしゃる方や、上演料は10,000円だが、何度上演してもかまわない(地区、都府県、ブロック、全国、が1回の許可ですべて上演可)という方針を定めている劇団もあります。いずれにせよ、きちんと確認することが大切です。

  参考Ⅰ 上演許可にともなう上演料  

社団法人日本演劇協会は公共(アマチュア)演劇上演料金規定

入場料/上演時間1時間30分以内1時間31分以上 
無 料10000円20000円
2000円以内  25000円  35000円
2001円以上協    議 協    議

*入場無料の場合は、回数・入場者数にかかわりなしとする。

  有料の場合のみ、入場者数300人までを基本料金とし、300人を越え、200人増す毎に50%増額する。

*翻訳脚本の場合も同様とする。

*以上はアマチュア演劇の協定であり、プロ製作による場合は、入場料に如何に拘らず協議事項とする。

*尚、高校演劇に関しては(入場無料の場合)上演時間にかかわりなく上演1回につき5000円とする。

*当規定は1993年(平成5年)5月1日より実施する。

 こうした、社団法人日本演劇協会の規定に基づき、上演料は、一回の公演につき、5,000円という上演料が必要という形が慣習として定着してきました。

もちろん有料公演の場合、5,000円という基準は関係なくなります。著作権者の方と相談して支払う著作権料を決めて下さい

④「 上演許可の取り方 」

 上演許可取得の手順 

上演予定の脚本が既成作品構成・潤色含む)である場合

              ▼

著作権の有無の確認(外国作品の翻訳されている脚本を使用する場合、翻訳者にも著作権あり。翻訳者の著作権の有無も必ず確認

              ▼ 

*著作権が消滅していれば自由に利用 → 上演へ

*著作権がある場合、関係者に連絡し上演許可収得の交渉

              ▼

A.著作権者と直接連絡が取れる場合

上演主旨説明、上演許可の条件確認(有効期限、範囲、上演料など)

脚本をカット・改変する場合はその可否の確認、改変可であれば、改変内容の検討方法、条件などの確認(後日、カット・改変した脚本を著作者に送付、上演許可の最終判断をしてもらうことが高校演劇では一般的

③上演許可をもらえそうなら上演許可の取り方の確認

上演許可願い上演許可書に必要事項を記入して、切手を貼った返信用封筒とともに送付、上演料を現金書留等で送付、脚本が改変されている場合は改変脚本を送付、この方法が高校演劇では一般的)

B.出版社と連絡が取れる場合、劇団・事務所と連絡が取れる場合 

出版社、劇団等が上演許可の代行をしている 

→ Aと同様の確認をしたうえその指示に従う。

*著作権者の連絡先を教えてもらう。 → Aへ

              ▼

この時点で著作権者(または代行者)と連絡がとれない場合、改変が認められず上演許可がとれそうも場合等は、上演を断念し、他の脚本を検討。

インターネット等で著作権フリーと明記している脚本に関しても、著作権者と直接連絡を取れない場合は上演断念。(脚本内容に著作権法に違反する内容が含まれていた場合等、直接責任を負える方が不明なため) 

              ▼ 

著作権者(または代行者)から上演許可が出してもらえそうであれば、確認した方法で対応。(著作者が改変された脚本を確認し改変内容を承諾しない場合、この段階で上演許可がおりないこともあり得ます。)

                ▼

            上演許可書が届く

☆ 上演許可を取る上での注意事項 Ⅰ 

上演許可の取り方について、しばしば著作権者の方から苦情が寄せられます。大会の直前になって、「明日までに許可がないと困る」、「とにかく急いで送って欲しい」などの交渉は絶対に避けて下さい。あくまで上演を許可するかどうかの権利は著作権者が持っているのであり、許可されることを前提にしてはいけません。相手の都合も考えずに、急いで対応するよう要求することもあまりにも常識をはずれた行為です。

そもそも、上演許可が取れることを確認できなければ、練習を開始することはできないはずです。練習開始前に上演許可の内諾を取ることが原則ですが、遅くとも、大会プログラム製作段階までには、上演許可書が届いていることが必要です。

時間のゆとりを持ち、誠意を持って上演許可を出してもらう交渉をすることを心がけて下さい。ひとつの学校、ひとりの方の失礼な行為により、特定の著作者の方が、「もう高校演劇に対しては許可を出さない」との考えを持たれたりしたら、高校演劇界にとって大きな損失になります。末永く高校演劇が発展していけるよう、後輩たちの脚本の選択肢をせばめないように上演許可の取り方には細心の注意を払って下さい。

劇作家協会では、なるべく上演許可は出していこうとの方向で考えて下さっています。高校演劇との信頼関係が崩れることのないよう細心の注意を払っていただきたいと思います。

☆ 上演許可を取る上での注意事項 Ⅱ 

上演許可やその他の許可に関しては、書面で交わすことが基本になっています。特に大会に参加する場合は書面で提出する必要がある場合がほとんどですので、原則として書面での許可を得て下さい。

しかし、著作権者の側が口頭でかまわないといっているのに無理に文章を出してもらうように交渉し、かえって、手間をとらせたり、心象を害したりすることは本末転倒です。口頭でも契約は成立しますので、やむを得ない場合は柔軟な対応することも必要です。

また、「改変」に関しても著作者によっては、「自由に改変して構わない。改変した脚本は送らなくても良い。」という考えをお持ちの方もいらっしゃいます。こうした場合も、無理に脚本を送ることはかえって相手の方に失礼にあたります。こうした場合も、許可取得者が「口頭で許可を得ている旨の文章」を作成して書面のかわりとするなど柔軟な対応することも必要です。

大切なことは、著作権者と意思疎通がしっかりとれており、明確に許可が取れていることです。あまりに形式主義におちいることは避けていただきたいと思います。

⑤「 創作・脚色・翻案脚本と利用許可について 」

☆ 原作にした作品の利用許可 

他者の著作物を原作にして二次的著作物をつくりだす場合、著作権のある著作物を原作にしているのであれば、必ず著作権者の許可が必要となります。

特に、著作権のある著作物を原作にしながら、著作権者の承可を得ず、あたかも自らが新たにつくり出したような形で「創作」として発表した場合、それは「盗作」とみなされて、最も悪質な著作権の侵害事例となってしまうことが考えられます。

過去の全国大会等では、こうした事例であると判断され、記録から抹消されてしまった学校もありました。こうした行為は対象となった学校も大きな打撃を受けるだけでなく、高校演劇全体の著作権者からの信頼を大きく損なうことにもつながります。

「創作」するにあたって、原作にした著作権のある著作物がある場合、必ず著作権者の許可を得て下さい。

また「脚色・翻案など」原作をもとにして二次的著作物をつくり出す場合も、原作に著作権がある場合、必ず著作権者の許可を得て下さい。

既成(潤色・構成含む)脚本用の「上演許可願い」「上演許可書」のような雛型(ひながた)は特にありませんが、内容に応じた適切な「利用許可」を書面にて取得して下さい。

☆ 原作にした作品の明記 

原作にした作品がある場合、脚本にもその旨を明記して下さい。表記場所、表記内容、表記方法などについては、著作権者と良く相談してトラブルにならないような表記をすることが大切です。

⑥「 引用について 」

☆ 引用の許可取得について 

「引用」とは、脚本を創作したりするにあたって、どうしても自分の言葉で表現できず、他者の著作物の表現が最もふさわしい場合、きちんと「出所を明示」して利用させてもらうことを意味します。例えば、学校が荒れている現実を、関連した書物から数行引用し、セリフとして登場人物に語らせたり、登場人物の心情を、有名な詩の一部を引用し、セリフとして語らせたりするのが、「引用」のあり方です。

著作権法では、「引用」に関しては「公正な慣行に合致するもので、目的上正当な範囲内」であれば、営利目的であっても利用できる」、つまり「著作権者の許可なく利用できる」規定になっています。「著作権の制限」の対象のひとつです。

高校演劇においても、「引用」は以下の条件を良く理解し、その条件を守った上であれば、「著作権者の許可なく利用できる」ことになっています。(2010年8月2日の第2回全国理事会にて承認されました。それまでは、高校演劇独自のルールとして、必ず許可が必要でした。)

では、守るべき条件とは何でしょうか?

演劇の脚本における「引用」は、単純に学術論文などで自説を強化するための「引用」と同様に考えてはいけない難しい面があります。脚本における「引用」には、文芸的な内容の著作物を「引用」する場合もでてきますが、特に慎重な扱いが必要です。

特に、文芸的な作品の「引用」を多用することは、主従が逆転することにもなりかねず、必要最低限の範囲で利用することを念頭におかなければなりません。最も注意しなければならないのは、小説や他者の脚本などから、何度も「引用」という方法を取り、他者の著作物を使いながら創作と名乗るような行為です。小説や他者の脚本などの著作物を原作にして新たなる創作物をつくり出す場合は、著作権のある著作物については、必ず著作権者の許可が必要になります。高校演劇の規定でも、小説や他者の脚本などを原作にしている場合は、脚色(または翻案)といった扱いになり、著作権のある作品については、必ず著作権者の許可が必要になります。あくまでも、「引用」は、必要最低限の利用で、あくまでも作品の補助的利用に限るということです。

さらに、著作権法では細かく「引用」についての注意事項が定められています。

 「引用」する場合の注意事項  

ア・すでに公表された著作物であること 。

イ・「公正な慣行」に合致すること。

ウ・報道・批評・研究などの引用の目的上「正当な範囲内」であること。

エ・引用部分とそれ以外の部分の「主従関係」が明確であること。

オ・「本文」と「引用部分」が明らかに区別できること。例『濁点をつける』『かぎかっこを使用する』 など

カ・引用を行なう必然性があること 。

キ・「出所の明示」がなされていること。

引用するにあたっては、必ず上記の条件を守って下さい。特に「出所を明示すること」は最も重要です。著作権法では、「親告罪」が基本なのですが、「出所の明示」は例外です。著作権法では、明示することを怠るとそれだけで、明示義務違反になってしまいます。

「引用」するにあたっては、細心の注意を払い、上記の条件や注意事項を厳守した上で行って下さい

3   その他の著作権について

①「 音楽の著作権について 」

☆ 無料公演における音楽著作権の自由利用 

音響効果さや舞台上で演奏や歌唱する場合、著作権のある楽曲を使用する場合、基本的には、著作権者から演奏の許可を得ることが定められています。

しかし、無料公演で、非営利目的の上演の条件を満たしている場合、著作権の制限(8ページ参照)」の対象となり、著作権者の許可なく利用が可能となります。

脚本については、改変する必要が生じる場合がほとんどなので、非営利目的の上演であっても、必ず許可を取るという高校演劇独自のルールを定めていますが、音楽に関しては、改変する必要が生じない場合が多いため、法律の規定に従い自由に利用して良いことになっています。(無料公演で、非営利目的の上演を満たしている場合に限る)

ただし、楽曲を改変する場合は別の許可が必要になります。非営利目的の条件を満たした公演であっても、「著作者人格権」は制限されないので、改変の許可が必要になってきます。楽曲を全く改変せずにそのまま使用する場合は、著作権者や著作隣接権(21ページ参照)を持っている人の許可なく利用できます。

☆ 有料公演を行う場合の音楽著作権 

独自に有料公演を行う場合などは、使用許可を取ることになりますし、利用料を支払うことが必要になります。

音楽の著作権に関しては、著作権者管理団体である「JASRAC(ジャスラック)=音楽著作権協会」が著作権者にかわって許可を代行したり、著作権使用料を受け取ったりしています。有料公演を行う場合は、その地域担当のJASRAC(音楽著作権協会)支部へ連絡して、細かい条件等を説明して、JASRAC(音楽著作権協会)支部の指示に従って下さい。ただし、最近は音楽著作権協会に著作権の管理を任せていない著作権者の方も増えていますので、使用する楽曲の著作権の許可が誰から得られるのか調べる必要も生じてきます。

☆ 楽曲を改変して利用する場合 

楽曲をそのまま利用せず、歌詞をかえたり編曲したりするなど楽曲を改変する場合は、「著作者人格権」にかかわってきますので、改変の許可が必要です。

どこまでが、楽曲の改変にあたるかどうかの判断は難しいものがあります。使用する側では判断がつきませんので、少しでも改変する場合は、やはり著作権者に確認して改変の許可を得て下さい

☆ 著作隣接権 

著作権法では、著作物の創作者を保護するとともに、著作物を公衆に伝達するために重要な役割をはたしている実演家(歌手・俳優など)、レコード製作者、放送業者及び有線放送事業者について一定の保護を与えています。

歌手は楽曲を創作したわけではありませんが、歌手の歌い方で受け取る側の印象が異なるように、歌手も著作物を創作に準ずる行為をしていると考えられています。こうした準創作的な行為に対して著作権法では、「著作隣接権」として保護しています。歌手のような実演家だけでなく、レコード製作者や放送業者などにもこの権利は認められています。

著作隣接権には、著作権と同様に「財産権」と「著作者人格権」があり、例えば販売されているCDを営利目的(レンタルなど)で使用する場合には、著作権者だけでなく著作隣接権を持っている方の許可も必要になるのです。

ただし、著作隣接権も非営利目的の公演等では、「著作権の制限」が認められています。ですから、楽曲を改変せず音源をそのまま利用する場合には、著作隣接権もかかわってきませんので、自由に利用することができるのです。

ただし、楽曲を改変する場合には、非営利目的の条件を満たした公演であっても、「著作者人格権」は制限されないので、著作隣接権についても改変の許可が必要になってきます。ですから、楽曲を改変する場合には、作曲者(歌詞がある場合には作詞者含む)などの著作者だけでなく、著作隣接権を持っている方たちの許可も合わせて必要になります。だれが著作隣接権を持っているかをきちんと調べ、すべての方から許可をとる必要があります。

  • 「インターネットに関する著作権について 」

☆ ネット上の画像・映像の使用 

①ネット上の画像・映像を使用する場合は、必ず許可を得ること。

(完全な著作権フリーを明示しており、肖像権の問題もなく、著作権違反が      ないと判断した画像・映像を除く。)

ネット上の画像・映像を使用する場合は、ほとんどダウンロードしてからの利用になります。ダウンロードした時点で、「複製」したことになるため、無料公演では例外利用が可能となる著作権法38条の適応外となり、必ず著作権者の許可が必要となります。(個人で楽しむ、教育目的以外は複製するには必ず許可が必要です。現状、演劇部の外部大会は教育目的とはなりません。)

また、ネット上の画像・映像の中には、著作権者の許可を得ずに載せているものも多く含まれている可能性があります。そういった画像・映像を使用することは、違法ダウンロードなど問題とされるケースも出てきます。出所のはっきりしない画像・映像は使用せず、必ず出所者と連絡が取れ、許可がとれる画像・映像のみを使用することが大切です。

著作権フリーを完全に明示している画像・映像に関しては、違法ダウンロードが含まれていないと使用者が判断した場合は、許可なく利用することができます。明らかに違法ダウンロードが含まれていると判断した映像は著作権フリーを明示していた場合でも、使用してはいけません。違法ダウンロードと知りながらダウンロードした場合は、著作権法違反となってしまいます。

また、肖像権を明らかに侵害しているような映像・画像は、著作権フリーを明示していても利用することはできません

② 画像・映像に関しては「引用」扱いはしない。

高校演劇で、「引用」と認められるのは、台詞などに限定しています。(詳しいことは19ページを参照して下さい。画像・映像に関しては、「引用」はできません

☆ ネット上の音源の使用 

③ ネット上の音源使用に関しては、必ず許可を得てから使用する。

(完全な著作権フリーを明示している音源を除く。)

すでに、YouTubeの音源に関しては、必ず許可を得てから使用するという共通理解が図られていると思います。理由は、①と同様です。(この場合でも、複製の許可は必須となります。)

YouTubeに限らず、インターネット上にあげられている音源に関しては、完全な著作権フリーを明示している場合を除き、必ず許可を得てから使用してください。

本項目は、2019年3月24日に第2回理事会で承認され追加さました。

③「 その他の著作物についての著作権 」

☆ その他の著作物 

脚本や音楽以外にも、演劇に関する様々な著作物が著作権の対象となることはすでに述べてきました。「著作物の種類(3ページ参)」

こうした著作物には、基本的に無料公演で非営利目的の上演等の条件を満たしているのであれば、著作権の制限(8ページ参照)」の対象となり、自由に上演・演奏することが可能です。

ただし、注意が必要な点は、あくまでも著作権が制限されるのは、「上演権や演奏権」に関してのみであり、財産権のうち複製権」や「二次的著作物の創作権」などは制限されません。必ず許可を取ることが必要になります。

また、著作権者が持っているもうひとつの権利である「著作者人格権」は、無料公演のケースでも制限されることはなく、必ず著作者の許可を取ることが必要になります。その他の著作物については、特に「複製」、「改変」に関しては必ず許可を取る必要があります。

(もちろん有料公演であれば、上演・演奏に関しても許可が必要となります。)

特に注意する必要がある「舞台美術・小道具」、「ダンス・振り付け等」についてさらに注意点を述べていきます。

☆ 舞台美術・小道具についての著作権 

舞台美術や小道具にキャラクターのある人形(ミッキーマウスなど)や絵画を利用する場合、市販されている製品をそのまま使用する限り問題はありません。ただし、そうしたキャラクターや絵画を「複製する場合」には、必ず著作権者の許可を得て下さい。

小道具として自分たちでキャラクター人形を製作したり、セットに著作権のある絵画などを描いたりする場合は、それにあたります。

☆ ダンス・振り付け等についての著作権 

ダンス・振り付け等にも著作権がありますが、非営利目的の公演で、そのまま改変せず踊る場合には許可は特に必要ありませんが、一部でもアレンジ(改変)したりする場合は、必ず著作権者の許可が必要です。

③「 著作権についての質問 」

☆ 著作権相談室について 

著作権について簡単な説明をしてきましたが、わかりづらかったり判断が難しかったりする場合も多々あると思います。そのような時には、次に紹介する「著作権相談室」へ連絡して相談してみて下さい。「どなたからの相談にも、無償で応じています」とのことですので、安心して電話してみて下さい。

      著作権相談室についてのご案内  

社団法人著作権情報センターでは、著作権思想普及事業の一環として、著作権に関する相談業務を行っています。著作権に関することなら、どなたからのご相談にも、無償で応じていますので、どうぞご利用ください。 ( ただし、当分の間著作権法が定める権利あるいは債権・債務関係に関し紛争があり又は紛争が生じる可能性のある具体的事案についてはご相談に応じかねますので、あらかじめご了承ください。)                                   

         < 著 作 権 相 談 室 相 談 要 領 >          

●著作権テレホンガイド                                              

 毎週月~金曜日午前10時~正午 および 午後1時~4時         

 専用電話 (03)5333-0393                    

*「著作権ガイドライン」作成にあたり、「著作権法入門2009」(文化庁編著)、「著作権ハンドブック(第6版)」(社団法人著作権情報センター)を参考にさせていただきました。

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