劇闘徳島の夏

高田 見和

 今年、7月30日から8月1日に、徳島県鳴門市文化会館で第50回全国高等学校演劇大会が行われました。振り返ればたったの3日間です。しかし「たかが3日間、されど3日間」この大会は私達実行委員にとって忘れられないものとなりました。
 全国大会がこの徳島県で行われるということで大会1年前に生徒実行委員会が組織されました。大会をスムーズに進めていくにはより多くの人手が必要でした。しかし、徳島は演劇部の加盟校が18校、総部員数が200名に満たないという現実に直面しました。4月を迎え各学校とも新入部員獲得に奔走しました。しかしそれでもこれまでの開催県に比べ人数が少ないことに変わりはありません。何度も実行委員会を開き、少ない人数の中でどのように良い大会にしていこうかと話し合いを重ねました。その中で私達は人数が少ないからこそ実行委員一人一人の力が生かせる、精一杯の誠意と責任を持って、大会に訪れる皆様に「お接待」の心で対応しようとまとまったのです。そして人手の少なさは徳島県内の運動部などの助けを借りることによって何とか体制を整えることが出来ました。
 大会の準備が始まると、リハーサル等を控えた各代表校が続々と徳島に到着し始め、実行委員も一気に慌ただしくなりました。大きなバスで会場へと現れた上演校の方々は元気いっぱいの高校さんもいれば長旅でお疲れの高校さんもいます。ですがどの高校の方もバスを降りれば元気な声で挨拶をして下さってセットを運び込んだり、会場を見て回っています。その姿を見ていると本番が近づいてきたと言う実感が沸いてました。代表校が到着し、実行委員が揃い後は当日を迎えるだけだと誰もが思っていました。
 しかし、徳島大会の運営がスムーズに進むのを拒むかのような出来事が起こりつつありました。
 …台風10号です。
 大会2日目の早朝から暴風警報が発令され、公共交通機関がほとんどストップし、初日の上演校である4校を除いて、最終日には異例の7校上演という日程となりました。
 その日は昨日の台風のため搬入搬出が予定通り進めることが出来ず、上演が終わる度にセットの出し入れを行い、しかも屋根のない搬出口のため天気を見ながらの作業で、本当に目の回るような忙しさでした。そして運営の都合上閉会式、分科会等も行うことが出来ず本当に残念でした。
 上演校や関係者の皆様、観劇に来て下さった皆様にも開演が25分早まるなど(天災とはいえ)本当にご迷惑をお掛けしました。
 台風とともに過ぎ去ったこの3日間は予想し得ない激動と、かけがえのない経験の出来た3日間でした。
 皆さんにとっても激動の大会となったのではないでしょうか。
 最後になりましたが出場校の皆さん、見に来て下さった方々、関係者の皆様ありがとうございました。皆様のおかげで無事大会を終えることが出来ました。本当にありがとうございました。
 来年度の開催県である青森県の皆さん、色々と大変なこともあると思いますが頑張って下さい。

  (徳島大会生徒実行委員長)