山形県では一九五〇年頃から飽海・田川・最北村山・山形・置賜の各地区で高校演劇の組織が作られ、独自の活動を続けてきました。狭い地域にとどまらず活動の場を広げようとする動きが生まれ、七二年に山形県高等学校演劇協議会が発足し、七三年からは生徒講習会、七四年からは県大会、七八年からは指導者講習会を開催してきました。指導者講習会は途中からリーダー研修会を兼ねるようになり、この三つが現在でも活動の柱となっています。

 生徒講習会は毎年五月に一泊二日で行っています。ほとんどの演劇部が集まり、参加者は四〇〇名程になります。学校法人東放学園様の協力をいただき、演技・ダンス・パントマイム・声楽・装置・照明・衣装・殺陣などの十九班で実施してします。短い日程と大人数ですので効果は限られるのですが、県内演劇部が一同に会する唯一の場であり、生徒と顧問の交流の意味合いを含んでいます。

 県大会は十月下旬から十一月上旬にかけて行います。数年前までは二日半で十七校を上演しましたが、リハの時間を十分に確保し質的向上を図ることと大会運営及び講師の先生の負担を減らすことを目的に十三校前後に減らしました。そのフォローとして、県大会の講師にお願いし、出場しない学校の生徒を対象に講習会を開催しています。講習会参加を名目に公欠で県大会を見に来られるという裏技が使えます。

 指導者講習会兼リーダー研修会は、一月下旬に二日間の日程で行っています。各校生徒一名に人数を絞ることによって、少人数で密度の高い研修を行い、成果を各部の活動や顧問の指導に還元することを目的にしています。

 東北大会には七三年度から出場してきました。全国大会には天童高が七回、東根工業高が三回、山形南高が二回、日大山形高と酒田東高が一回出場させていただきました。天童高が「じゃがらもがら」で、山形南高が「ゆうたっちょの中学生絵日記」で全国大会最優秀校に輝いたのが一番の誇りです。また、日大山形高「透明な壁の中で」の作者・(故)高子実氏と「ゆうたっちょの中学生絵日記」の作者・田中雄太君が創作脚本賞をいただきました。

 また、九九年には山形市で全国大会を開催することができました。十七校出場という一年限りの実験的な大会でしたが、猛暑の中、夢中になって大会運営をしたことを懐かしく思い出します。大会本部では苦情の処理に追われました。遠来の多くの方々にご迷惑をかけたことを、この場をかりてお詫び申し上げます。

 私が県の事務局を引き受けるようになって八年目になります。その間、最盛期には七〇〇名を超えた県内演劇部員数が、生徒数の減少に伴い、現在は五〇〇名を切るようになりました。ここ数年、部の統廃合で加盟校数も三二校に減りました。人数は減りましたが、県大会のレベルが下がったとは感じていません。むしろ、少人数でもキラリと光る芝居が増えたような気がしています。困難な状況の中、様々な工夫で乗り越えてきたことが密度の高さにつながっているのかもしれません。

 最後になりましたが、今年度の東北大会を山形県で開催します。十二月二三日〜二五日に、JRさくらんぼ東根駅から徒歩十五分の所にある「さくらんぼタントクルセンター」という今年四月に開館したホールで行います。小さなホールですが、舞台と客席で濃密な演劇空間を創造できればと考えています。ぜひお越し下さい。

(山形県高等学校演劇協議会事務局長)