大会実行委員長/生徒実行委員長
暑くて  熱かった 

京都から

  栗田みさ子

上演名  「第52回
  全国高等学校演劇大会」

会 場   京  都

辻 悠介
 今から三年前、京都の多くの顧問にとって、初めての全国大会は福井だった。福井に視察に寄せていただき、それから三年後を考えた時、本当に全国大会は終わるのかとさえ思えるほど京都大会は遙かかなたにあった。その全国大会がとうとう終了した。

 考えてみると、京都は加盟も遅く、歴史的にも全国とは縁遠い存在だった。そんな中で、私たちはこの三年間、「全国ではね……」「え〜、せやけど」という怖いもの知らずの素人集団であったかもしれない。「どうしょ、どうしょ」と不安にうろたえる一方、素人の感性を絶対持ち続けたいというのも私たちの思いであった。 

 話はもどる。まず福井に行ったメンバーは「これはもっと大勢で見なければ」と、翌年大型バスをチャーターして徳島へと向かったが、台風! 「これは八戸には絶対行かねば」ということになった。しかし、八戸は遠い。一体旅費は出るんだろうか、いくら出るんだろうか、京都の先生方は遠方まで視察に行ってくださるだろうかと不安で一杯だった。結果的にはほとんど全加盟校から顧問・生徒が参加した。中には、たまたま演劇部の顧問があたったという先生もおられたが、この暖かい協力体制に頭がさがる思いがしたし、この体制は本番が終わるまで続いた。

 その後、なかなか時間が進まないように感じられたが、最後の半年、特に三ヶ月はびっくりするような加速度がついて時間が流れていった。

 いよいよ本番。

 大きな心配の一つは入場の問題だった。将棋倒しはないか? 熱中症はないか? 入場方法は?   「京都への参加者は多い」というご指摘を受け、往復はがきの整理券システムを復活した。非常に難しいシステムだった。直前、電話でも多くのお問い合わせをいただいた。特に遠方から見える上演校の保護者の方から、こちらの立場をご理解いただいた時は申し訳なく頭がさがる思いがした。結果的にプロジェクターで我慢していただいた観客の皆様にはこの場を借りておわびを申し上げたい。とりあえず、無事に終えることができたのは、真っ黒に日焼けした係の先生・生徒、ハガキの入力、プリントごっこの返信作業等にあたった京都の先生方のみならず、当日段取りの悪い中、急遽席を移動してもらった大阪の生徒の皆さん、突然客席整理にあたっていただいた近畿の先生方、そして何よりも観客の皆様を含めた多くのみなさまのご協力のたまものであったと思う。

 また生徒講評委員会も正式実施から二年目、「すべての上演作品を見ない代わりに話し合いの時間をたっぷりと・宿泊はするが行事は入れない・審査とはかかわらない」という京都のやり方にはいろいろなご意見があった。私たちもその趣旨をいろいろな場でお話ししたものの、十分意を尽くせたとはいいがたい。しかし、「とにかくやらせてやろう」と暖かく見守っていただいた全国事務局に感謝申し上げたい。もし、今回参加いただいた生徒・顧問の皆さんの中で、こんなやり方もあるなあと思っていただけたなら幸いである。

 そんな中で、同志社高校が最優秀賞に輝いた。全国大会に出場するのが初めてである京都にとって、最優秀賞が初めてなのは言うまでもない。同志社高校の受賞はまさに私たちの喜びである。今までお世話になった皆さんから祝福のお言葉を本当に数多くいただいた。これは京都の演劇連盟に対するエールであるとともに、すべての弱小(?)演劇部に対するエールであろう。

 今、全国大会は終わった。しかし、私たち京都の顧問・生徒にとっては、今年の夏に知り合えた多くの全国の仲間とともに歩む新しい出発である。これからもこの数年の高揚感・緊張感を忘れず歩いていきたい。全国の皆さんも夏が来るたびに、暑くて熱かった京都と私たちを思い出していただけたならば、うれしい限りである。

(京都府高等学校演劇連盟委員長
・府立桂高校教諭)

 この大会の感想を一言で言えば、なんて言えばいいでしょうか。「しんどかった」「大変だった」。たしかにそれもないことはないです。正直に言えば、時には大変なこともしんどかったことありました。が、それよりも、やはり、「楽しかった」という言葉がすごく大きいです。語弊があるかもしれませんが、本当に楽しみながら今回の「第52回全国高等学校演劇大会」に取り組めたと思います。

 初めての全国大会。全ての上演校の成功と全てのお客様の感動のために、京都の演劇部一丸となって、声をかけあい、協力しあって、顧問と共によい大会にしようという姿勢で、それぞれの仕事に対して、精一杯取り組みました。たいへんなこともあったと思いますが、大会運営、お疲れさまでした。

 全国から集まった11の上演校は非常にパワーがあふれていて、印象に残るものばかりでした。出演者からは、台本と役に注ぐ情熱を、スタッフからは舞台に立つ出演者を支える集中力を感じることができ、それらは初めて演劇の楽しさを知った瞬間を思い出させてもらいました。皆さんに負けないようにこれからも頑張りたいと思います。すばらしい作品の数々、ありがとうございました。

 思い出せば、昨年、青森八戸の全国大会を視察に行ったとき、見に来ていたお客の多さや上演校の作品のすごさに圧倒され、言葉を失いました。大して実感がわいていなかった「全国大会」というものを目の当たりにして、「こんなにすごい大会を京都でできる」という期待と同時に、「こんなにすごい大会を成功させられるか」という不安も、またありました。

 そして、日を追うごとにその期待と不安はどんどんふくらんでいき、まるで舞台の本番に立つような気分でした。

 そう、思えば、この「第52回全国高等学校演劇大会」もまた、巨大な一つの舞台と置き換えることが出来るように思います。とは言っても、誰が役者で誰が裏方と言うわけではなく、大会運営に携わった京都の演劇部員とそれを支えてくださった顧問の先生方、11の上演校の演劇部のみなさん、ホールスタッフの方々、審査員の先生方、ご来賓の皆様、そして、協力していただいたボランティアの方々など、この大会関係者全員が出演者でありスタッフでもあり、その大勢の人たちによって上演された舞台の題名が「第52回全国高等学校演劇大会」。そして、今度は、「第53回全国高等学校演劇大会」が島根にて上演されます。出演者もスタッフも総入れ替えで行われるこの舞台はどんな作品になるのでしょうか。それを知るのは、まだ、先の話ですが、見に来ていただいたお客様だけではなく、その大会に関わった誰もが「楽しかった」といえるような、そんな大会にして欲しいです。島根県演劇部の皆さん、よろしくお願いします。

 最後に、「第52回全国高等学校演劇大会」の出演者、スタッフの皆さん、お疲れさまでした。そして、見に来ていただいたお客様。本当にありがとうございました。素晴らしい大会を京都で「上演」できたことを誇りに思うと同時に関係者全員に心から感謝します。

(京都府立桂高等学校)

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