|
「演劇創造」 復刊第109号
平成19年(2007年)4月15日 |
| ■ 平成18年度ブロック代表校決定 | |
| 第53回全国大会に出場する各ブロック代表校十二校が別表のように決定しました。会場は島根県松江市、島根県民会館大ホール。松江城を眼前に望む絶好のロケーションの会場です。期日は七月三十一日から八月二日までの三日間。大都市圏からやや離れた地ですが、島根は古代出雲の国以来の歴史と文化の地であり、宍道湖をはじめとする風光明媚な地でもあります。 歴史と自然の豊かな島根で、いきいきと躍動する高校生の若さあふれる舞台を、ぜひ全国の多くの皆さんが見に来ていただくようお願いいたします。 さて、今夏の大会から出場校が従来より一校増え十二校となりました。ローテーションによって各ブロックの枠を一校増にしましたが、北からの順ということで、今回は北海道ブロックが二校出場となりました。帯広柏葉、札幌平岸、いずれも初出場であり、ともに創作作品です。どんなフレッシュな舞台を見せてくれるか、とても楽しみです。 この両校以外も、栃木、富士、三島南、追手門学院大手前、作陽、日田三隈、いずれもが初出場です。全国出場のプレッシャーに負けることなく、清新な舞台を松江で見せてくれることを大いに期待したいと思います。また、小名浜、岐阜農林、三刀屋、高松工芸は全国出場経験校ですが、あらためて今年の舞台がどのように練り上げられてくるのか、これもまた大きな楽しみです。 さらに、今大会の上演作品は既成作品が多いのも特徴ですが、例えば東北・小名浜の作品は北海道で生まれたものですし、関東・栃木と中国・作陽の作品は東北で生まれた作品です。これら違う地域で生まれた作品を各校がいかに自分たちのものにして舞台にのせていくのか、この点も興味が尽きないものがあります。 |
一昨年の青森・八戸大会から正式実施となった「生徒講評委員会」の活動ですが、昨年の京都大会での実施方式を踏まえた上で、原則として青森方式で今後実施していくことが確認されました。全国各ブロック、中国ブロック、島根県から選出された生徒講評委員の皆さんの講評活動が大きな成果をあげることができるよう期待しています。 なお、生徒講評委員による各校舞台の「講評文」については今後、全国高演協の「活動報告集」に掲載していくことも確認されています。 私たちのこの高校演劇全国大会は「コンクール」「発表」の場であると同時に、「学び」と「交流」の場でもあります。どうか大会に参加されたすべての皆さんが、大きな「お土産」を持ってそれぞれの地域に帰られ、全国各地の高校演劇がますます活性化することを願ってやみません。 あわせて、誠に残念なことですが、昨年来九州ブロックにおいて「著作者人格権」の侵害にあたるような事例が明らかになりました。何度も言いますが、この問題はいくら厳しくとらえても厳しすぎることはありません。演劇活動に携わるものの根幹に関わる問題であることをあらためて認識していただきたいと思います。 では皆さん、夏、松江でお会いしましょう。
(全国高等学校演劇協議会 |

| ■ 第一回 春季全国高等学校演劇研究大会 実施報告 | |
| 「第一回春季全国高等学校演劇研究大会」が、三月二十七日(火)〜二十九日(木)に東京都港区の劇団四季自由劇場で開催された。 全国8ブロックから推薦された北海道札幌北陵・青森県立青森中央・新潟県立三条東・山梨県立甲府昭和・滝(愛知)・兵庫県立西宮・鳥取県立米子・愛媛県立川之江・沖縄県立普天間の九校の上演と劇団四季の俳優・スタッフによるワークショップが行われた。バラエティーに富んだ上演作品に観に来てくださった方々や、取材してくれたマスコミ各社からも、大きな反響があった。 |
上演ごとの座席指定・完全入替え制と、 メールによる申込み、打合せ・リハーサル・ゲネ・上演にいたる日程、運営に携わる生徒・教員の身分保障、協賛企業の開拓、全国高文連との共催名義使用に関する折衝等々、検討するべき事項は山積みである。しかし、長年の念願であった、年度内における高演協独自の大会が、一つの形として動き始めた。この大会を支えてくださっている劇団四季スタッフのみなさんの熱意と愛情に深く感謝しつつ、次年度大会をより良いものにするべく努力したい。 (副事務局長 森本 繁樹) |
|
緊急アピール 著作権問題再び
全国高等学校演劇協議会事務局 |
|
| 一九九七年、全国大会上演校の著作権に係る重大な問題が起きた。調査の結果、著作権侵害のあったことが確認され、一九九八年四月の理事会で、当該ブロック(関東)からの申し出をもとにした常任理事会提案として、 ・当該校のすべての賞の返還を受理する。 ・当該校の問題となった二作品について全国高等学校演劇協議会のすべての記録を抹消する。 ・当分の間、大会出場を辞退する旨の当該校よりの申し出を受理する。 という、厳しい内容が承認された。この件は、我々の組織活動を進めていく上で大きな教訓となったはずである。 所轄官庁である文化庁から非常に厳しい指導を受け、加盟校への周知を図るために、一九九七年十月六日付け高演協二八号文書、故相澤一好前会長名の通達(本紙に再掲)を行った。この件に関しては、一九九八年発行の『演劇創造』復刊第八十一号(平成十年二月十五日号)に詳しい。 また、著作権についての明確な指針が必要であるとの指摘により、一九九九年七月の理事会において、「全国高等学校演劇大会上演作品の創作・既成等の区別について」(本紙再掲)を承認していただき、二度と著作権侵害が起きないように、全加盟校で努めてきたはずであった。 しかし、残念ながら昨夏の京都府八幡市における全国常任理事会・全国理事会の席上、九州ブロック大会における著作権問題が報告された。 全国高演協事務局が調査した結果、二〇〇四年の第四六回九州高等学校演劇研究大会で上演された、宮崎県立妻高校作「母への贈り物」(向田邦子著『きんぎょの夢』(文春文庫、文芸春秋)より)は、地区大会・県大会・ブロック大会ともに、上演脚本を著作権者に送付して上演許可を得たことが確認できず、出版社である文芸春秋社からの上演許可の条件である「本著作物の内容、表現、題名等を事前の許可なく変更してはならない」との項目にも違反していることが明らかとなった。 |
九州ブロックからの申し出により、常任理事会案として、当該作品の上演記録の抹消と、当該校前顧問、現宮崎北高校教諭吉村氏の二年間の顧問としての活動自粛が、四月の松江市における理事会で承認された。 今回の原因は、先の著作権問題の際に組織として共有したはずの認識が継承されず、ブロック事務局・県事務局・当該校顧問に著作権についての甘さがあった点である。調査報告を依頼した際に、九州ブロック事務局の認識の欠如による別な問題も起きている。 全国高演協の規約は、現行の著作権法と比較すると、より厳しい制約を課したものである。我々は教育現場で作品を創っているのであり、生徒にも、著作者が汗を流し、命を削って創り出したものを上演させていただく、というモラルを徹底する必要があるとの思いから決められた規約である。ここでは紙数に限りがあるので、詳細は『季刊高校演劇』一八八号(一八九号・一九〇号にも続く予定)掲載の全国高演協顧問 森一生氏の「高校演劇・創造者としての誇りと品格」を参照していただきたい。 再び起きてしまった著作権に関する問題が、今後二度と起きないために、「通達」と「創作・既成等の区別」を本紙に再掲した。理解できない点があれば、全国高演協事務局には著作権担当を置いているので、ぜひ相談していただきたい。高校生の演劇活動が社会的に認知され、新たな大会も事業として認められた今、改めて著作権に対するモラルを大切にしたい。 (全国高等学校演劇協議会 森本 繁樹) |
|
再掲 著作権の扱いについて
|
|
| 高演協第28号/1997年10月6日 各都道府県 会 長 殿 全国高等学校演劇協議会 全国高等学校演劇協議会 今年度、第43回全国高等学校演劇大会(奈良大会)の出場校の作品中、著作権侵害の事実が明らかとなりました。全国高演協事務局としては、事務局内に担当者をおいて著作権について調査・研究を行うと共に、先生方を通じて様々な角度から侵害のないように御願いしてきた経緯もあり、今回の問題に関して非常に遺憾であると同時に、大会運営を行ってきた立場として責任を痛感しているところです。今後、ブロック大会・都道府県大会・地区大会等におきまして、このような問題が起きないように下記の内容を全加盟校に周知徹底して下さるよう御願い申し上げます。 記 1.創作脚本とは、あくまでも上演校顧問或いは生徒の創作であることを条件とする。 2.創作、脚色作品について、引用もしくは参考にした著作物(小説・映画等)がある場合には、当該作品の著作権者に許諾を得て、その旨を明記すること。 (例 題名の場合 〇〇作「〇〇〇〇」より〇〇〇脚色「〇〇〇〇〇」) 3.既成作品を上演する際には、上演する台本についての許諾を著作者に得ること。 (台本のカット等変更部分があれば、著作権者に許諾を得ること) 4.振り付けについても著作権は存在するので留意すること。また、舞台美術、衣装等についても、知的所有権の存在するキャラクターを使用する際には、著作権者の許諾を得ること。 (例 商標登録R、著作権登録Cのあるもの等。) 5.生徒に著作権についての理解を促すこと。 以上、今後の各大会において著作権侵害のないよう御配慮下さるよう御願い致します。 尚、顧問が与り知らぬところで生徒が著作権を侵害している場合には、当該校及び顧問の責任となり、莫大な賠償金を支払うことになる例もありますので、くれぐれも御留意下さるよう重ねて御願い申し上げます。 上記は1999年7月の全国理事会において承認された。 |
【補足】 全国高等学校演劇大会上演作品の創作・既成等の区別について ■ 創 作 ・純粋に創作された脚本であること。 ・生徒創作の場合、推薦された時点で執筆した生徒が上演校に在学中であること。 ・顧問創作の場合、推薦された時点で執筆者が上演校に在職していること。 ・創作脚本賞の対象とする。 ■ 脚 色 ・小説、物語、絵本、その他の著作物等をもとに脚本に書き改めたものであること。 ・原則として創作脚本賞の対象としない。 (原作品に著作権がある場合、原著作権者に上演脚本を示して許諾を得ること。) ■ 潤 色 ・既成脚本に独自の改変を加え、改変した者の名を明らかにする必然性があるものであること。 ・既成作品として扱う。 (著作権者に改変した上演脚本を示して上演許可を得ること。) ■ 構 成 ・既成脚本をもとに場面の組み替え等の大幅な変更を行ったものであること。 ・既成作品として扱う。 (著作権者に変更した上演脚本を示して上演許可を得ること。) ■ 翻 案 ・主に海外の著作物等をもとに、原作品の主題はそのままに細部を作りかえたものであること。 ・既成作品として扱う。 (著作権者に上演脚本を示して上演許可を得ること。) ■ 既 成 ・既成脚本をそのまま上演したものであること。 ・既成脚本に独自に付け加えることなくカットしたものであること。 ・既成作品として扱う。 (著作権者に上演脚本を示して上演許可を得ること。) 上記は1999年7月の全国理事会において承認された。 |
| ■ 事務局通信 | |
| 新年度の会議は、日程の関係から年度をまたがって、風光明媚な水の都・松江で行われました。 * まず、新年度の事務局人事について、櫻井事務局長と西沢副事務局長の交代に伴い、吉田美彦(大阪)事務局長と森本副事務局長を中心とした新しい体制になることについて、提案されました。その中で、事務局長の決定に至る経緯を巡って意見が出され、立候補を表明する理事がおり、協議となりました。選挙規定が規約にない点から、立候補にかかる手続きなどについての問題点が指摘されました。その上で、今後の検討課題について事務局等で協議することを確認し、新年度の人事は承認されました。 続けて、京都大会の反省総括、島根及び群馬大会の概要説明が行われました。その中で、生徒講評委員会の運営についての説明と成果、反省点が指摘されました。福井、青森、京都大会での実績をふまえて、生徒側の動きと大会内での役割を安定化し発展させていくこと、開催地の実情をふまえてある程度自由度のある構成と運営を今後とも目指していくことが、委員会運営細則についての共通認識を得て、確認されました。 作品に対する「眼」を養うことは、「ものの見方」を共有していくことにつながり、結果として作品との結びつきを強くしていきます。それはコミュニケーションという、芝居作りだけでなく日常生活の中でも重要な能力を高めることにもつながります。多くに生徒の皆さんの参加を期待します。 |
* 昨年度第二回理事会において継続協議となった、九州ブロック大会における「著作権・著作者人格権」に係る問題について、九州ブロックからの状況説明とそれに対する事務局からの提案、質疑が行われました。その中で状況認識に対する甘さが指摘され、九州ブロックの体制についても批判的な意見が出されました。理事会においては関係者に対する処遇を承認しました。今後とも、私たち自身の問題としてその重要性を認識し、課題解決に向けて取り組んでいくことが求められます。特に、都道府県レベルでの著作権についての認識を深めていくことが、再発防止と、権利を守ることに対する姿勢の涵養につながるものと考えます。 * その他、助成金関係、優秀校東京公演、新規事業(「春季大会」)の実施状況、全国高文連関係についての報告が行われました。新年度に向けて、人事も変わりますが、課題意識を持って、前向きに取り組む姿勢が大切になります。 (事務局 三上 実)
|