大会実行委員長/生徒実行委員長
ゴール。そして、スタート。

山口  敦

しおかぜ総文祭 万歳!

有村 聖也

 第59回全国高等学校演劇大会(第37回全国高等学校総合文化祭演劇部門)が、延べ5、000名を超える方々が来場され、大きなトラブルもなく無事に閉幕(ゴール)することができました。会場となった長崎市公会堂は、開館50周年を迎え、老朽化などの理由により、惜しまれながら数年後には取り壊されることが決定しています。高校生が関わる全国レベルのイベントとしては、おそらく最後になります。長崎県高校演劇の聖地である長崎市公会堂で、大きな舞台づくりに関わることが出来たことは、責任の大きさ以上に光栄でした。
 全国大会の準備は、平成20年の群馬大会から始動しました。視察という立場で参加したにもかかわらず、演劇部顧問として、一観客として上演を観劇し、泣いたり笑ったりしたことを思い出します。4県引継ぎ会にオブザーバーとして出席させていただきました。頭のどこかでは分かっていたのですが、安易に考えていた自分を反省し、事の重大さに気付くとともに、焦りを感じました。平成21年の三重大会以降は、群馬大会視察の反省のもとに、全国の多くの先生方と顔繋ぎをし、画像や動画、書類、ヒアリングなどできるだけ多くの情報を長崎に持ち帰り、大会実行委員会で検討を重ねました。平成22年の宮崎大会、平成23年の福島・香川大会では、想定外のトラブルへの対処などの危機管理の大事さを学びました。前年度の富山大会は、机上の議論だけではなく現場の状況を直に感じていただくために大視察団を編制しました。富山県の先生方は大会運営で多忙の中、長崎県視察団を快く受け入れていただき、最大限の便宜を図っていただきました。このときの視察団の生徒および教員が、長崎大会で中心的な役割を担ってくれました。
 振り返ってみると、本当に多くの方々のご協力と支えによってできた大会だったと思います。準備段階においては、先催県担当者や全国高等学校演劇協議会事務局担当者の支えが非常に大きいものでした。初めてのことばかりで戸惑ってばかりの中、嫌がらせに近い回数のメールおよび電話への問い合わせに対して、的確なアドバイスはもちろんですが、精神面でのサポートは大きな支えとなりました。また、出場校の方々はもちろんのこと、高校演劇の特殊性を理解していただいている長崎市公会堂のスタッフのご協力のおかげで、出場校打合会から大会上演までスムーズな大会運営を行うことができました。また、九州ブロックの各県事務局長には、講習会(分科会)の司会を快く引き受けていただくなど、ブロック内の団結力の強さを再認識できました。さらに、長崎県の生徒および教員の頑張りです。大会準備から会場設営、会場撤収まで玉のような汗を流しながらの業務は頭が下がるばかりです。運営要員として大会運営を行いながら、全国の高いレベルの演劇を観劇することができ、長崎県高校演劇の今後の活動について得るものが多かったと思います。この長崎大会をゴールとするのではなく、ここをスタートとして、高校生らしく清々しいはつらつとした創意工夫にあふれる演劇創造に、これまで以上に取り組むための契機となると思います。
 最後に来年の茨城大会の大成功を祈念しお礼の言葉とさせていただきます。長崎大会にかかわっていただいた全国の皆様、本当にありがとうございました。

第37回全国高等学校総合文化祭
演劇部門部会代表委員

 まず初めに、今回長崎での全国総文祭の開催にあたり、全国高演協や多くの先生方に支えられ無事に成功できたことを大変嬉しく思います。本当にありがとうございました。
 昨年度、全国総文祭の生徒実行委員長に決まってから、緊張と不安で気持ちの整理がつかない日々が続きました。さらに11月のプレ大会で私が所属する瓊浦高校が全国総文祭演劇部門に推薦されたこともあり、緊張と不安は倍増、悩みが続く毎日でした。部室の黒板やクラスの背面黒板には、「大会まであと○日!」とカウントダウンの数字を見て、刻一刻と大会の開催が近づいてくることを日々意識していました。時には演劇部門生徒実行委員長として、ある時には演劇部の部長として、テレビや新聞といったマスコミに取材をされることも多くありました。「多くの人と協力して、絶対に全国大会を成功させる!」いつしか、私の生活から演劇は切り離せないものとなっていました。
 2013年8月2日から3日間、全国各地から本当に多くの方々が長崎での大会を観に来て下さいました。大会パンフレットにも記載した通り、来て下さった方々に、「来てよかった」「長崎での大会は最高だった」と言っていただけるような大会にするために、生徒実行委員で何度も会議を重ね、最高のおもてなしを考え、それを実行できたと今思っています。
 大会期間中、ロビーでお会いした方から、「開会式での挨拶頑張ってね!」「挨拶よかったよ!」「上演お疲れ様」など多くの言葉をいただきました。その中で一番嬉しかった言葉は、「長崎の生徒さんの元気な声や笑顔は本当にさわやかですね」という言葉です。これは大会最終日に、県外の老人女性からいただいたお言葉です。本当に嬉しくて、涙が溢れました。
 多くの苦難を乗り越え、大きなトラブルや事故も無く、無事に大会を終えることができました。長崎市公会堂の1、700席がほぼ満席になり、上演後はホールやロビーで芝居について多くの方が話をされている姿が今でも忘れられない思い出です。また、生徒講評委員会で他県から来た生徒と話す機会があり、「過去の日本の歴史を知り、きちんと向き合わない限り、本当の意味で私たちは前へは進めないのではないか」という言葉を聞いたとき、被爆地長崎での全国大会に全力で取り組んでよかったなあと思いました。全国総文祭を通じて、素敵な仲間に出会えたこと、素敵な仲間と共に大会を成功させられたことに感謝、演劇が大好きだという気持ちがより一層強くなりました。
 来年の全国総文祭は茨城県で開催されます。大会期間中や閉会式の際、実行委員長の生徒と話す機会があり、大会を成功に導いてくれるような力強さや熱い気持ちが伝わってきました。素晴らしい大会になるよう、全力で応援します。
 最後に全国総文祭生徒実行委員長として、この大会に関われたことは私の一生の思い出です。今回学んだことを活かして、今後の生活をより良いものにしていきたいと思っています。

(生徒実行委員長 瓊浦高等学校)

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