タイトル   復刊第90号(静岡大会特集号)Web版

2.第46回高校演劇全国大会を終えて 
     静岡県実行委員会委員長 久島登志男

 記録的な暑さの便りが全国から寄せられる中、浜松市教育文化会館を会場に第46回全国高等学校演劇大会が開催され、無事終了することができました。今、残暑の中でそれを振り返り、関係の諸機関諸先生方生徒のみなさんの献身的な御協力、指導に対して心よりお礼を申し上げたいと思います。 本当にありがとうございました。また、手狭で少し旧式な会場をフルに生き生きと活用して、素晴らしい演劇空間を創造してくださいました出演校11校のみなさん、本当にご苦労様でした。
 思い起こせば全国大会が回ってくると耳にしてから、今日まで、実に多くのハードルがあったように思います。まずそれは、全国事務局の助言をいただいて、県内統一組織を形づくることから始まりました。本県はそれまで各地域の独自性を尊重する立場から、東中西が分散して活動しておりました。本大会を期に組織を統一化し、全県を挙げて全国の演劇を愛する友を迎えようとのスローガンのもといわば大会運営に関する静岡方式を確立することができました。また、財政逼迫のおりから、予算の削減にどう答えるか頭の痛い問題でした。削減といっても出場校が気持ちよくのびのびと上演していただける条件だけは譲ることができません。県推進室との度重なる交渉の末、演劇の特殊性を理解していただき必要な経費を捻出していただけたこと、また、内外の関係団体からの援助についても全国事務局を通 して配慮していただけましたこと、ともに感謝いたします。そうした陰に、県西部の顧問先生方の熱心で暖かな奉仕的精神による支えがあったこともここに記しておきたいと思います。
 本大会は上演された出場校のレベルの高さにおいて、過去のどの大会にも劣らなかったとの評価を得て、関係者一同ほっと胸をなで下ろしたところです。上演についてのトラブルもなく、すべての学校がベストを尽くすことができたとの上演校の生徒たちの言葉が何よりの励ましです。
 さて、「演劇の国」静岡は今全国大会の余熱でまだ火照っています。この火照りをエネルギーに今後の活動に取り組んでいきたいと願っています。スポットの当たらないところにスポットを。高校演劇のますますのご発展を祈念しまして、第46回全国高等学校演劇大会のお礼と報告にいたします。また来年どこかの劇場でお会いいたしましょう。  

 (静岡県実行委員会委員長 浜松商業高等学校)

演劇創造目次へ