タイトル   復刊第90号(静岡大会特集号)Web版

3.「二〇〇〇年、 熱い夏、浜松」        
     生徒実行委員長 那須田大輔  

 全国大会・演劇部門の話を聞いたのは約一年半前のことでした。その時、僕はそれがどんなものか全く分かりませんでした。そのため気軽にこの大役を引き受けてしまったのでした。
 そして今から約一年前の去年の夏。僕は第二十三回の全国大会の開催地「山形」に向かいました。その年の山形はとても暑かったです。町は、空の上に現れた灼熱の太陽、それは大会に出場する生徒やそれを支える生徒達の熱気であったような気がします。そこで初めて観た全国大会の舞台に僕は圧倒されました。
 そして、あれだけの素晴らしい大会を成功させた裏では、受付や装置の搬入や搬出、舞台のセッティングなどたくさんの地元の高校生の大変な努力があったことも強く感じました。  山形に行ったことで、大変貴重な体験をし、そしてこの静岡で行われる全国大会に向けて大きな一 歩を踏み出そうと強く思いました。
 静岡に戻ると大会の準備は着々と進められていきました。しかし、準備といっても派手なものではなく、書類の袋詰めなど意外と地味な仕事が多かったと思います。それと同時にたくさんの取材をうけ、 僕自身本番が近づいていることをあらためて思い知らされました。  そして、ついに本番の第24回全国高等学校総合文化祭・演劇部門が開催されました。今年もまた情熱的な灼熱の太陽をみることが出来ました。山形の再現、いやそれ以上のたくさんのお客さんが今年も訪れて下さいました。間近でみると、すごい迫力でつい舞台を見入ってしまいました。高校生ならではの熱く元気な演技、心を打つ演技、思わず涙を流してしまうような様々な感動を僕達に与えてくれました。そして、裏方のスタッフとしてこの大会に参加した地元・静岡の演劇を愛する高校生。決して彼らなしではこの大会を運営することはできなかったでしょう。目立たないけど大変な活動の中で充実した時を過ごすことが出来ました。
 何気なく、気軽に引き受けた大役。気がつけば、あっというまにこの大役もサヨナラです。この一年半、本当に大変でしたけど、この大会に参加できて僕は本当に良かったと思います。この大会を通 していろんな人と出会い、ともにわかちあったこの夏は、僕にとってそして参加したすべての生徒にとって、きっと忘れることが出来ない夏になったでしょう。最後に大会に関わった全ての皆さん、本当にありがとうございました。