復刊91号　　WEB版

平成1２年度 ブロック代表校　決定
　平成12年度の全国大会の出場が表の通り決まった。今年は、福岡県福岡市にある、福岡サンパレスにおいて、８月５日（日）から７日（火）の間開催される。また、昨年から復活した分科会も、今年も４分科会において実施される予定である。沢山の参加者あり、今大会も盛り上がることを期待しています。
　さて、実はある大会において、またも盗作問題が生じたという報告をうけました。ここ数年、ことある度に著作権については触れてきました。上演許可書については、この機関紙においても見本を載せたり、劇中に使用する音楽、ダンス等についても指導してきました。ただそれは、あくまで既成台本を使用するためのものであったり、既成の音楽やダンスについてでありました。創作の場合、作者の良心と、指導する顧問の先生方の認識に頼るところが大きかったと思います。 確かに、我々高校演劇は、創作脚本賞をもうけ、生徒や先生方の創作を奨励してきました。それが、いつのまにか、創作が入賞するのに有利になる、という間違った考えになってきたのかもしれません。一部の間違った認識を持っている関係者のために、高校演劇が誤解を受けることは避けなければなりません。 我々は、もう一度、なんのために演劇をやっているのかという原点に戻り、襟をただし、芝居作りをすることを全国の高校演劇関係者に呼びかけたいと思います。確かに、コンクールですから、いい成績をとり、上の大会に行くことを目的にすることは間違っているとは言いません。しかし、それはあくまで結果 論であり、本来の目的は、仲間といい舞台にするために切磋琢磨することにあるのではないでしょうか。そこに楽しみを見つけられるからこそ、幕が降りた瞬間、喜びに満ち溢れるのだと信じています。

　

★天井桟敷
　昨年から全国事務局で仕事をさせてもらっている。主な仕事は全国ブロック大会での賞状の準備なのだが、昨年秋は大変貴重な経験をした。
　一月の官庁改編に伴って文部大臣は文部科学大臣となり、賞状が異なる。それだけならまだしも、一二月初めに内閣改造で文部大臣が替わり一度郵送した賞状をまた作り直し、結局この時期、例年なら一種類で済むはずの文部大臣奨励賞の賞状が三種類存在したことになり、そのたびに文化庁と賞状代筆屋を往復した。さすがにいつもはあまり気にしない政局のニュースだがこの時期は釘付けになっていたものである。いろいろとご迷惑をかけた先生方にはお詫び申し上げます。
　芝居というものが政治の影響を受けるというのは少々しゃくな気持ちもするのだが、決して無関係に存在できないこともまた事実なのだろう。これもまた個人的なことなのだが、私が勤務する高校には色々な選択授業の中に「演劇」に関する講座がある。当然我々のような素人が授業をできるわけはないので専門の方に「市民講師」という制度で来て頂き、ティームティーチングで行っている。この授業を取りたくて入学してくる生徒も多いのだが、これとても結局「お上」の力によるものなのだから、芝居というものは公権力やスポンサーにはかなわないのかなぁ、とそんなことを考えながらも、いざ脚本を書く際にはいつも社会を批判的に書いている自分は一体何なのだろう、と思ってしまう今日この頃である。　　　　（柳澤）