復刊92号  WEB版


都道府県だより
愛媛県の高校演劇 片上由紀夫

演劇専門部の歩み  昭和六十二年十一月四日、第一回愛媛県高等学校総合文化祭演劇部門発表大会が出場校三校によって開催されて今年で一五年になります。歴代の部会長及び専門部長、さらにそれまでの愛媛県の高校演劇を支えてこられた松山東雲高校の酒井稔先生を始め、各校演劇部顧問のご努力で参加校も次第に増え、現在では地区大会参加校が二十校程になりました。
 平成元年には、愛媛県初の第十四回四国地区高等学校演劇研究大会を県民文化会館サブホールで開催し、四国各県の暖かいご協力を得て、好評のうちに大会を終了させることができました。
 渇水の年平成六年の夏には、全国高等学校総合文化祭が松山市で開催され大きな成果 を収めました。準備の過程で演劇部顧問の意志疎通が図れたことや、全国レベルの演劇を間近に鑑賞し深い感動と感銘を受けたことにより、本県の高校演劇が飛躍的に発展する転機となりました。また、その流れの中で、各方面 のご理解により地区大会が施設・設備の整った劇場で開催できるようになったことや、年度毎の地区大会の歩みを記録する大会パンフレットの作成を始めたことなど演劇専門部の活動は大きく前進いたしました。
 高校演劇を愛する生徒や顧問の熱意により、平成八年西条高校が愛媛県初の全国大会出場を果 たし大きな希望を私達に与えてくれました。本県の高校演劇は順調に発展を遂げており、最近では創作脚本による上演も増加しています。また、平成十二年の全国総合文化祭では川之江高校が最優秀賞を受賞し、関係者一同非常に喜んでおります。

活動状況  本県では地区大会を、九月に東予・中予・南予に分かれて実施しています。この出場校の中から選ばれた八校が県高校総合文化祭で上演することになります。審査は酒井稔先生(松山東雲高)を審査委員長として、部会長、専門部長、演劇部顧問が当たっています。毎年各校とも素晴らしい作品を上演し、優劣付けがたく代表校を選ぶのに苦慮しております。
 県総合文化祭演劇部門発表会は、十一月の第三土曜日・日曜日に実施されます。会場は、県高等学校文化連盟事務局が準備してくれています。審査員は、県外から審査委員長をお迎えし、元高校演劇関係者一人、部会長、各地区代表演劇部顧問の計六名が努めます。八校の中から優秀賞二校、奨励賞一校を選び、優秀賞を受賞した二校が四国高等学校演劇研究大会に出場することになります。また、本年度から、創作脚本賞の授与も予定しています。
 八月には、夏期講習会を実施しています。松山市民会館のスタッフの方々のご理解とご協力により舞台照明に関する講義・実技実習を中心に、演技指導、各校活動状況報告、全国高等学校演劇協議会理事会報告等を行っています。
 また、七月末には、川之江紙まつり実行委員会のご支援のもと、四国高等学校演劇協議会主催の四国高校演劇祭が昨年度から川之江市民会館で開催されるようになりました。たくさんの生徒や顧問が、四国のレベルの高い演劇を鑑賞するために参加しています。
 最後になりましたが、本年度の四国高等学校演劇研究大会が、一二月二十三日・二十四日に松山市民会館で開催される予定になっています。たくさんの方々のご来場をお待ちしております。また、今後とも愛媛県の高校演劇発展のために、関係各位 の暖かいご支援をお願い申し上げます。 (愛媛県高等学校文化連盟演劇専門部長)