復刊95号  WEB版


特集1 全国大会出場校による『舞台にこめるメッセージ』

  W杯に熱い声援を送ったのはつい昨日のことのようだ。スポーツ選手のことをプレーヤーと呼ぶが,英語ではこの言葉は舞台の上の「役者」の意味でもある。演劇とスポーツとの共通 点は観客の惜しみない拍手が,選手・役者から最高のプレー(演技)を引き出し,大きな感動を与えてくれることだ。
 今年,神奈川の舞台でプレーヤーはどんな演劇空間を作ろうとしているのか,そのメッセージを聞いてみることにした。 全国大会へ出場する11校の生徒のみなさん・顧問の先生には忙しい時期にもかかわらず、原稿の依頼にこころよく応じて下さったことに感謝します。 書いてくださったのは、出場校各校の役者、演出、スタッフの生徒のみなさんです。 (上演順)

 とうとう此処まで来てしまった。 私達の祖先の歴史を探求したく、『いってきます!』の製作に取り掛かったのが去年の6月。あれから随分時間が経ちました。のんびり屋の現3年生と、しっかり者の現2年生が力を合わせ、コツコツ積み上げてきたものが全国大会出場という成果 となりました。今年はさらに1年生が加わりました。新作と同時進行中です。充実しています。夏真っ盛りの相模大野で最高の上演ができるよう、頑張ります。 (中部:滝高等学校)

 ついにこんなところまで  おはようございます! 池田高校演劇部です。気がつけば全国大会まで来てしまいました。今でも「本当にうちらでいいの?」って思っちゃうくらい不安です。今回の台本は、去年の1月に部員が男子2名になってしまった事から生まれました。ちょうどいい台本が見つからずに、仕方なく顧問と3人で考えて書いた『今夜はすき焼き(仮)』。その後はなぜかトントン拍子に…(あー、いまだに信じられん)。部存続の危機から全国大会って、うちの芝居よりよっぽどどらまちっく♪ なぜタイトルが(仮)なのか?それは舞台を見ていただいて気づいてくれたらうれしいです。部員は16名にパワーアップしましたが、そのうち13名が入部半年未満という超ど素人集団の無謀な挑戦。みなさん、温かく見守ってくださいね! (北海道:北海道池田高等学校)

 『九郎源義経流亡記』 私達の祖先の歴史を探求したく、今回初めて時代劇に挑戦しました。cast、staff共に体験することは初めてで、資料やビデオなどを通 じて色々考えさせられました。今と昔、時代の違いはありますが、きっと気持ちは一つだと思います。60分という短い時間の中で、時代劇の世界へお連れすることができたら幸いです。皆様に何か感じていただける、芝居作りに日々努力していきたいと思います。 (神奈川:麻布大学附属渕野辺高等学校 舞台監督助手)


 めろんの創り方  台本、部員、たくさんの方々の支え、めろんへのキモチ、そして愛情ありったけ。全てを混ぜればできあがりゥ さて、どれだけおいしくできたカナ?  『めろん』との出逢いは衝撃的で、みんなの意見も「これだ!」と一致し即決定。  全国大会に出場できることはとても光栄なことなので、私達は誇りを持って上演したいと思います。 (中国:山口県立岩国総合高等学校)

 (メール音)ピロリロリーン  悔しくて悲しいことがありました。近畿大会を終え、いつも支えてくれていた高3が抜け、CASTの変更もありました。色々な人の思い、そしてそれぞれの思いを胸に大暴れします!自分を見失ったら「がんばれ私、負けるな私」自分へ応援メールを送ってやってください。大阪パワーを放電する私たちの芝居を見て感じて心に受け止めるがよい。すべての人に届け! はい送信。『生きっぷし』 (近畿:大谷高等学校)

 理科系の演劇?  僕達、久留米大学附設高校は、二年連続全国大会の栄誉を成し遂げました。といっても、昨年は楽屋・練習会場係としてですが…念願叶って今年は出場校側として出場することができ、全国大会まであとわずかとなった今でも、まだ夢のようです。昨年は客席から見てたのになぁ…。僕達の『フラスコ・ロケット』、最高の舞台にしてみせます!  押忍! (吸収:久留米大学附設高校)

 おはようございます★  夏が近づくにつれ、全国大会が近いんだなと思う今日この頃、皆さんはいかがお過ごしですか?  私たちは今回『チェンジ・ザ・ワールド』という作品を上演させていただきます。観てくれる人みんなを少しでも楽しませることができればと思い、日々練習にはげんでいます。    相模原では精一杯、最高の舞台を作りたいと思います。 (東北:福島県立小名浜高等学校)

 ふざけず『まじめにヤレ』 ◆演劇はみんなの協力が一番 ◆友だちがたくさんできるといいな ◆演劇楽しんでいますどうぞよろしくおねがいします ◆日の丸をかきます ◆難しいがアイデアがおもしろいですよ◆いそがしい演劇です ◆やるぞーオー ◆なるべく大きい声で読みます◆みんなでワイワイにぎやかにやってます   (四国:徳島県立阿南養護学校 ひさわ分校)

 『夏の庭』ファイナルに向けて  『夏の庭』の脚色に取り組んでから一年が経とうとしています。振り返れば、様々なアクシデントの連続でした。それらを今、懐かしく思い返しています。もしかしたら上演することさえできなかった作品を、これまでたくさんの方々に観て頂き、それだけでも嬉しく、また光栄に思っています。もう本当に、これが最後の上演です。妥協することなく、部員みんなで全力を出しあって、楽しい舞台にしたいと思います。 (関東:東京都立第四商業高等学校)

 全国大会出場の喜びに『サクラ』サク  『桜井家の掟〜The Rules of the Sakrais〜』はたった4人の3年生部員が演じる個性豊かな4人姉妹の物語。演技はド下手でスタッフもボロボロ。なんのとりえもなかった私たちがここまでこれたのは、偶然、強運、そしてこの劇を支えてくれた様々な人達のおかげです。せっかく訪れた偶然をチャンスに換えて、精一杯頑張ります! (関東:千葉県立薬園台高校)

 「テロだ! テロ!」〜我々はHAYSEED〜  僕たちは初めて全国大会に出場します。 作品は『恐ろしい箱』。 何が恐ろしいか? それは未だもって、この作品にかかわってきた僕らにさえ、恐らくは分かっていません。いや分かりません。  「何かやってやろう」のゲリラ精神で本番を迎えたいです。 (関東:群馬県立安中高等学校 部長)