復刊97号  WEB版


 第49回の全国大会は、福井県鯖江市にある鯖江市文化センターにおいて、8月10日(日)から12日(火)までの3日間開催されます。出場校11校は表の通りです。また、4月3日(木)に行われた出場校打ち合わせ会において、上演順も決まりました。(12ページをご覧下さい)今大会も多数の観客が集まり、大会を盛り上げて欲しいと思います。
 さて、今大会の一番の目玉は、生徒講評委員会の設置です。従来は、専門家の先生方と顧問の先生方だけに講評をいただいておりましたが、参加している生徒達と同じ世代の生徒達から、色々と意見を言ってもらえる機会をつくりました。大会期間中に速報でもその意見を発表しますし、3日目に行われる分科会においても、意見を交換する機会をつくります。また大会終了後は、「活動報告集」において特集を組む予定です。福井以後の大会でも続けていくべきかを含めて、大会の後に総括したいと考えておりますので、忌憚のないご意見をいただけると助かります。
 なお、他の分科会は、「鈴木忠志氏による講演」「舞台美術のワークショップ」「映像と演劇」が設定されます。是非そのうちのどれかに参加し、実り多い大会にしていただきたいと思います。
 現在、来年度の徳島大会で50回という区切りを迎えるにあたって、記念事業を計画しております。いくつかある中で、この「演劇創造」の全面的な改定があります。このような小冊子形式から、壁新聞にもなるタブロイド版にする予定でいます。賛否はあると思いますが、部活においてみんなでいつでも読めることを念頭において、企画していますので、楽しみにしていてください。では、8月に鯖江市でお会いしましょう。
(西澤)

**天井桟敷***

 今年もまた新しい年度がやってきた。どこの高校でもそうだろうが、三年生になったとたん、生徒たちはクラブの引退を考える。我が校の演劇部でいうと四月末の定例公演、新入生歓迎公演を機に引退、という道をたどる。一年時は部活に慣れ、スタッフ、キャストとも勉強期間とするならば、中心になって活動するのは二年時のたった一年間ということになる。
 顧問としてもやっとこれからというときに忽然と消えてしまい、まるで大切に育てた花をいきなりもぎとられたような気になり、筋ちがい、本末転倒、果ては子どもみたいにと非難されようが、何しようが、気落ちし、悲しくなり、怒りすらこみ上げてくる、が、表面は、先生面よろしく(これからは勉強に専一するようにね)などと、なんておざなりなことばだと嫌気がさしながらも口にする。毎年このくり返しだ。
 ところで、私ごとになるが、私も高校演劇(教育大附属・現筑波大附属)の出身で、何とそのときの演劇部員たちが(五年間ほどの先輩後輩)四十八年の時空をひとまたぎし、六十五才強という平均年齢ながら劇団活動を昨年から開始している。
 劇団「桐」という名だが、今年もオリジナルの脚本を上演する。
 プロに負けない舞台作りを、と夢は大きい。引退した生徒たちも高校時代の活気あふれる夢のすみかに、どのような形にせよ、もどってくることがあるだろうか。  
(松本)